陸奥国三戸郡
五戸 ごのへ
 
2023年10月26日 訪問

▶DATA まちの概観

 五戸は、青森県南東部の三戸郡に位置する街です。丘陵地上に開かれた市街地は起伏が大きく「坂の町」とも呼ばれます。五戸川と奥州街道(概ね現在の国道4号)の交差点にあり、八戸や三本木(十和田)など近隣の主要な都市までは車で20~30分程度の立地です。近世には盛岡藩の代官所が置かれ、現在の三戸郡と上北郡にまたがる五戸通の政治的中心地として発展しました。
 現在の五戸の中心市街地である五戸川右岸丘陵地に展開する町場は、天正末年から慶長初年にかけて形成されました。五戸代官所を中心に、五戸川左岸には「下町」、右岸には「上町」が配されています。代官所は、中世以来五戸の開発領主としての地位を確固たるものにしていた木村氏の居館である五戸館に設けられ、約180年に及んだ代官支配の後も、斗南藩初代藩庁や県支庁、町役場などが置かれ五戸地方の行政的中心地であり続けました。また市場町として物資の集散地としての機能や、奥州街道の宿駅としての機能も併せ持ってきました。
 近代以降は青森県に属しましたが、藩の壁がなくなった八戸が三八地域・北奥羽地方の中核都市として膨張を続けたこと、近代都市三本木が上北の中心として急速な発展を遂げたことに伴い、双方に挟まれた五戸の中心性は相対的に低下していきます。現代では八戸に対する衛星都市としての性格を強めており、五戸町は10%通勤圏における八戸都市圏に包括され、金融機関や高校等も八戸への統合がみられます。

▶五戸駅跡周辺

南部バス五戸営業所  

1.南部バス五戸営業所

尻内(現八戸)から五戸までの約12kmを結んでいた南部鉄道は、1930(昭和5)年にこの五戸まで開業した。五戸駅跡の東半分は現在南部バスの営業所として使用されていて、紅白のバスが肩を並べる。奥に見える赤い塔屋はよこまちストア五戸店。


「使命を果たす」石碑  

2.南部バス五戸営業所

「使命を果す」と刻まれた石碑。南部鉄道は1968(昭和43)年十勝沖地震で路盤の決壊・土砂流出等の甚大な被害を受け、そのまま運転を再開することはなかった。その後「南部バス」と社名を変え、バス専業会社として地域の足を担うことになる。


五戸駅跡を貫く道路  

3.かつての停車場道

ローソン五戸町店近く、県道15号線交差点から五戸駅跡方面。この道路はかつて県道としても認定されていた停車場道で、五戸小学校から伸びて駅に突き当たっていた。鉄道廃止後は駅跡を貫き、県道15号バイパスと連絡する道路になった。


五戸駅前バス停  

4.「五戸駅前」

駅跡のバス停留所は現在も「五戸駅前」を名乗る。


▶大町周辺

下大町バス停付近  

1.「坂の町」

「下大町」停留所から上大町方面。起伏が伝わってくる。中央の凹地は台地に切れ込む沢の部分で、その上に跨って町場が形成されている。


五戸郵便局  

2.五戸郵便局

1872(明治5)年に五戸郵便取扱所として開設。五戸町全域の集配業務を担う。


東西丘陵地の切れ目  

3.東西丘陵地の接続部分

沢が入り込む切れ目の部分を東側から見る。左の上大町に抜ける道は明治末年に埋立てられた部分。


沢  

4.沢町

埋立て道から切れ込む沢を見下ろす。字名も文字通り「沢」で、「沢町」と呼ばれることもあった。中央の道が奥州街道で、このまま五戸橋を渡って川原町を通り、七戸方面へ抜けていた。


下大町  

5.中央バス停付近

「中央」停留所から青森銀行方面。字名では下大町にあたる五戸町の中心部。


下大町  

6.中央バス停付近

振り返って郵便局方面。今では懐かしい「みちのく銀行」の鮮やかな緑。青森みちのく銀行五戸中央支店となり、2026(令和8)年2月に五戸支店へ支店内支店方式で統合されている。


上大町  

7.上大町

青森銀行方面。金融機関は大町に集中していたが、手前の青い森信用金庫は2021(令和3)年に八戸市内の支店に統合されている。


青森銀行五戸支店  

8.青森銀行五戸支店

新町丁字路正面に位置する。現在は青森みちのく銀行五戸支店。


五戸町消防団第一分団屯所  

9.五戸町消防団第一分団屯所

上大町の外れ、稲荷神社横にある屯所。1922(大正11)年に落成した鐘楼のついた火の見櫓で、県指定文化財に指定されている。


屯所から西方面  

10.屯所から西方面の傾斜

屯所前から西南方面。ここでも坂が現れる五戸の街並み。


▶新町周辺

新町  

1.青森銀行前から新町

大町に交わる新町の通り。五戸の中心商店街はこの2筋を中心にT字型を形成している。


新町  

2.新町から青森銀行前

1の反対側、新町から突き当りの青銀を見る。この筋は三戸方面から来る奥州街道にあたり、青銀前で右に折れて下大町を抜け、西塔坂で沢町に下りるルートであった。


荒町  

3.荒町

新町から荒町方面。大町の一つ南を走る町。


野月から高雲寺までの火防線  

4.野月から高雲寺までの火防線

上大町と荒町を貫く火防線。1913(大正2)年の大火後、街区改正によって通されたもの。


新町から博労町方面  

5.博労町

新町から博労町方面。奥には沢町からの谷地のへこみが見える。


神明後から五戸総合病院  

6.神明後から五戸総合病院方面

高さの異なるトタン屋根が立ち並び、起伏のようすが分かりやすい。奥に見えるのは五戸総合病院。


▶歴史みらいパーク

五戸町図書館  

1.五戸町図書館

1998(平成10)年に開設された歴史みらいパークは、五戸町図書館と併設の木村秀政ホール、復元された五戸代官所が整備されている。


五戸代官所  

2.復元された五戸代官所

藩政期には盛岡藩領であった五戸。五戸通37か村を統治した代官所の所在地であり、約180年間にわたってこの地方の政治・行政の中心地であった。代官所の廃止後も斗南藩初代藩庁や県の支庁、小学校、町役場が立地し、長らくまちのへそとして機能していた場所。


図書館から俯瞰する街並み  

3.図書館から俯瞰する街並み

図書館の展望室から眼下の街並みを望む。

 
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